人間の本質を知りたいなら水上勉の文学を読むといいよ
トークショーのあと、こんな質問をいただきました。
「占い師として売れるには、どんな本を読めばいいですか?」
という質問です。
占いの本はもちろん読みます。
しかし、それだけでは足りません。
なぜなら、占い師に必要なのは人間を知ることだからです。
占いの知識だけでは足りない
論文しか読まない教授、
医学書しか読まない医者、
法律書しか読まない弁護士。
おそらく、そんな人物はこの世に一人もいませんよね。
政治にしか興味がない政治家に、誰が支持するでしょうか。
同じことは占い師にも言えます。
占いや精神世界の知識に詳しいだけでは、選ばれる存在にはなれません。
水上勉という作家
ぼくが若い頃に読んで、深く印象に残った作家がいます。
水上勉です。
この作家の小説には、いつも共通した匂いがあります。
それは、人間の業。
そして、逃れられない宿命です。
『越前竹人形』という静かな悲劇
代表作のひとつが『越前竹人形』です。
舞台は、越前の寒村。
竹細工を生業とする家に生まれた青年・喜助が主人公です。
喜助の父は生前、芸妓だった玉枝という女性を囲っていました。
しかし父は亡くなり、喜助はその玉枝を、妻として迎えることになります。
ここから、この物語の静かな悲劇が始まります。
玉枝は泣き父が囲っていた女性です。
けれど喜助は彼女に、亡き母の面影を見てしまうのです。
母のようであり、女性でもある。
その曖昧な存在が、喜助の心を深く縛ります。
愛している…しかし母の面影を重ねてしまうがゆえに、
男女として交わることができない。
夫婦でありながら、本当の夫婦になれない。
純粋すぎる心が、二人の関係を静かに追い詰めていきます。
そして物語は、避けようのない悲劇へと向かっていくのです。
『雁の寺』という人間の闇
もう一つの代表作が『雁の寺』です。
舞台は京都の古い禅寺。
主人公は、慈念という若い小僧です。
貧しい家から寺に預けられ、修行僧として暮らしています。
その寺には、一人の女性が出入りしています。
かつて芸妓だった 里子という女性です。
そして寺の住職は、この女性に強く執着しています。
仏門にありながら、欲望を断ち切ることができない。
少年の慈念は、そのすべてを見てしまいます。
尊敬すべきはずの僧侶。
清らかであるはずの寺。
しかしそこにあるのは、欲望・嫉妬・執着でした。
少年の心には、次第に暗い感情が芽生えていきます。
そしてその感情は、やがて取り返しのつかない行動へとつながっていくのです。
人間の弱さを理解する
この二つの小説に共通しているものは、人間の弱さです。
人は、理性だけで生きているわけではありません。
- 愛しているのに、壊してしまう。
- 尊敬しているのに、憎んでしまう。
- 信じているのに、裏切ってしまう。
占いの相談も、実はこれと同じです。
恋愛相談の奥には執着があります。
人間関係の悩みの奥には嫉妬があります。
仕事の悩みの奥には劣等感があります。
ぼくたち占い師は、人を裁く仕事ではありません。
人間の弱さを理解する仕事です。
占い師を目指す人へ
だから、占い師を目指す人に言います。
占いの本ばかり読むな。
スピリチュアル系や心理学、精神世界や自己啓発は、
しばらくお休みしてみましょう。
人間を読む力、これを養うのは文学です。
とくに純文学には、どんなジャンルの本よりも深く、人間の本質が描かれています。
もしまだ読んだことがなければ、水上勉の小説をぜひ一度手に取ってみてください。
そこには、精神世界や自己啓発、ビジネス書では味わえない
生きている 「人間」 がいます。
明日はもう一冊の本
明日は、もう一冊の本について書きます。
児童文学ですが、実は大人こそ読むべき一冊。
ミヒャエル・エンデ(Michael Ende)の、『モモ』という作品です。
それでは、また明日。
星読み師taka(中島多加仁)
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