美しいものに日常から触れると、心に余裕が生まれるのです
今日は人間のもつ価値観のひとつ、《美意識》について書いてみたいと思います。
「正しいと信じて進んだ道がとんでもなく間違っていた」
「良かれと思って言った言葉が、相手を傷つけてしまった」
そんな経験、誰にでもあるはずです。良かれと思って、正しいと信じて起した言動が、結果的に悪かったり間違っていたりするんです。
正しいことを《真》といい、良いことを《善》といいます。
真とは、真偽を見分けること。
善とは、善悪を見分けること。
残念ながら、人にはこれらを見通す力はありません。しかし、その2つを超越する、あるファクターがあります。それが《美》なのです。
美とは、美醜を見分けること。
正しいこと。
善いこと。
美しいこと。
人は昔から、この「真・善・美」が完全に整った理想的な世界を夢見たのです。これら真善美の3つのうち、人が唯一判断できるものがじつは《美》なのです。美しいものを見通す力だけが、人間に備わっているのです。
ただし、「美しい」と感じるものは人によってさまざま。まれに美しくないはずのものを「美しい」と感じる人もいます。
では、なにが基準となるのでしょうか?
それが《普遍的な美》です。極論でいうと、国宝や重要文化財などの建築物、仏像などの彫刻です。淘汰されることなく現代まで残りさらにその中から選ばれた存在。
日本に残されている伝統文化はおおむね「美しい」ものばかり。そういった美しいものに日常から触れると、心に余裕が生まれるのです。
ひとは寛容になれば争いごとやトラブルなどほとんどなくなるのです。では、どうしたら寛容になるか?
それは心に美意識を持つことから始まります。
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