破軍星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その14/原宿の占い師 中島多加仁 紫微斗数占い

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破軍星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その14

名称 破軍星のトリセツ: シリーズ紫微斗数14主星 その14
出版社 ほしよみbooks
発売日 2024/5/12
定価 紙本版:1,540円(税込)
Kindle版:800円(税込)
Unlimited: 0円
購入URL Amazon
著者 中島多加仁

シリーズの出版企画に際して

本書は『シリーズ紫微斗数14主星』の第14弾、破軍星の取扱説明書になります。

このシリーズも、本著で完結となります。

破軍という言葉は、三国志や水滸伝などの歴史小説で有名な北方謙三氏が書いた『破軍の星』という作品で知りました。夜空に閃く流星のように、乱れた時代を駆け抜けて果てた若き貴公子・北畠顕家を描いています。南北朝時代、数え14歳で参議へ上り21歳で命の炎を燃やした顕家は、まさに破軍の象徴のようでした。

破軍はある意味、紫微と並んで十四主星の主人公のような存在ともいえます。紫微から始まり破軍で終わる。紫微が動かない北極星であるならば、破軍はその周辺を周回する北斗七星のいちばん外側の星です。

北斗七星のひしゃくの柄先の星は「揺光」と言いますが、別名「剣先星」とも呼ばれていました。北斗七星は北極星を中心に日周運動しています。ひしゃくの柄を剣に例えると、破軍は剣の先になるからです。そして破軍星は一日に一回、北の空を大きく回ります。九星気学で使う『破』は、この破軍星のことでもあります。中国は三国時代・蜀という国の丞相、諸葛亮孔明が編出した秘法に『破軍星』という術があります。当時の合戦において「いくさは吉と出た。天は我らに味方している」と、兵の士気を鼓舞する手段として重宝していたのです。

破軍星は「はぐんせい」と読みますが、陰陽師が使う場合は「はぐんじょう」となります。その占術(戦術)は「破軍星の方向に向かって戦いを挑めば必ず負け、破軍星を背にして戦えば必ず勝つ」というもの。武田信玄の秘法にも「破軍星」の秘法があり、また信玄の軍配には「北斗七星」が描かれていました。星座の形は崩れていますが、右端の星に剣のような絵があることから判断できます。この破軍は、敵に勝つことができる星として、武将たちに尊ばれていたそうです。

古代中国の政治・軍事の書に『六韜』という書物があります。これは太公望と王との問答形式で その考えが述べられており、老荘思想が影響しております。当時の兵法家たちは、この六韜は必読の書でした。六つの韜からなり、 そのひとつが平野での戦いを述べた『虎韜』で、これが「虎の巻」の語源となっています。その虎韜なかの小篇に三陣篇があり、敵と対峙する場合の陣構えの基本的な理念が記され、そこに破軍星の項目があるのです。古代中国では、季節の移り変わりや日時を知るために、夜空に光る北斗七星を用いていました。北斗七星を大きなひしゃくに見立てると、7つの星のうち3つの星が持ち手(柄)の部分=「斗柄」にあたります。人々は、この斗柄が指し示す方角をもとにして、季節の移り変わりや日時を把握していました。斗柄は、それぞれ「揺光・開陽・玉衡」と呼ばれます。時は流れ、斗柄が季節ごとに指す方角と、その方角に対応する十二支とが結び付けられ、吉凶占い「十二直」へと変化していったのです。

十二直は1日ずつ「建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉」の12個が順番に割り振られます。

十二直の始まりは「建」です。冬至の頃(旧暦11月)に北斗七星のひしゃくの柄の部分が真北(子)に向くため、この日を「建子」の月としました。そこで旧暦11月節(大雪)後の最初の子の日を「建」と定めたわけです。12の節気の日には前日の十二直を繰り返します。こうすることによって、1年たつと順々にずれた十二支が、元の組み合わせに戻ることになります。単純に十二直を繰り返すのではなく、こうして節気ごとにずれていくことで吉凶の神秘性を生み出し、庶民の間で流行したのです。その十二直の7つめが破(やぶる)であり、ちょうど「建」の対局に位置します。北斗七星の揺光・開陽・玉衡の三星が指す方向を月建といいますが、「建」は「おざす」と読み、これは「尾が指す」の意味です。建とは物事を決める日として良い日であり、結婚式や会社の登記に適しています。

その反対である「破」の意味するところは「物事を突き破る日」です。狩りや漁業、戦いに赴く、訴訟を起こすなどに吉とされており、逆に結婚式や祭りなど、おめでたいこと、引っ越しなどは凶です。

ちなみに九星気学では、単純に十二支を指して『建』と呼びます。たとえば2024年であれば辰が『歳建』となり、反対に位置する戌が『歳破』という具合です。また1月は決まって丑とされており、丑が『月建』になって対である未が『月破』になります。

さて、このシリーズでたびたび引用する怪奇小説『封神演義』では、紂王という暴君が主人公になっています。もちろん封神演義と紫微斗数との関係は、後世のディレッタント(好事家)による虚構であることは、再三述べているとおりです。しかし封神演義における紂王の描写は、まさに破軍星そのもの。彼は悪女・妲己の虜になり、欲望のかぎりを尽して身を滅ぼしました。彼の元には、比干や聞仲をはじめ黄飛虎など英雄がいました。にもかかわらず、妲己と費仲の陰謀によって国を崩壊させてしまいます。国の王になるパワーがある反面、誘惑には弱い破滅型。七殺と同じく激烈な武将ですが、損耗や変動の意味が増します。とはいえ、王の器ではないにしろ、現場のリーダとして、部下と共に戦う軍曹タイプなのです。

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