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易占いは、けっして倫理を説くものではありません。
それが易が生き残った理由の一つであると思います。
道徳を説かないから権力者からの弾圧対象にならなかったのです。
また、その時代の思想に合わせて繰り返し再評価されていきました。
たしかに周易そのものは功利主義です。
しかし、儒学の影響を強く受けているため、
その注釈の元となる『易経』には倫理的な解釈をしている部分があります。
◆時々刻々の変化の流れの中で、その変化の本質を見極め、無闇に逆らうことなく、
それでいて迎合し流されることなく行動することを諭してくれます。
ただし、「流れに乗れ」というのが易の法則だと思ってしまいがちですが、
そうではありません。
流れに乗ると、そのまま滝へ真っ逆さまということがよくあります。
第一番目の「乾」の卦をみてみましょう。
冒頭に「乾は元亨利貞」とあります。
単に
「元(おお)いに亨(とお)る。貞に利(よろ)し」
と占いの結果を示すものです。
文言伝ではそれぞれの4文字に意味を取り、
君子はこの4徳を行うものであると言っています。
逆にいうと、「この4徳を持たない者は君子ではない」と読みとれます。
つまり、吉卦が出てもそれは君子にのみであって凡夫には凶と判断せねばなりません。
それを、どのように深く読み取るのかが、易者の腕の見せどころなのです。
易は、占いではありません。
易とは、人間という限定された存在が行える最善の道を探るものなのです。
けっして神仏のような存在や、霊力を得ようというものではありません。
そこあるのは易という「法則」であり、ぼくはその法則を利用するだけです。
そういう意味で易というものは、
教祖や戒律の存在しない純粋な宗教なのだとも言えますよね。
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